いじめのめ

娘のクラスで陰湿なイジメが行われている。
五年後に仕返しされて殺される覚悟があればいじめてもよい/枡野浩一
という歌を読ませたいが為に『ドレミふぁんくしょんドロップ』を
図書室ではなくて学級文庫に寄贈したくなったが
この本の余白を読みとるには幼くて素直すぎる気がしてやめる。
あまりにも巧妙なイジメの手口は大人顔負けだけれども
簡単に口にする嘘は出来すぎていて拙い。ドレミふぁんくしょんドロップ―枡野浩一短歌集〈2〉 (枡野浩一短歌集 2)



先生やよその子の所為にしたくてたまらない親や
根本をはき違えて騒ぎたてる親に
結果より過程が大事 「カルピス」と「冷めてしまったホットカルピス」/枡野浩一
という歌を読ませたいが為に『てのりくじら』を
学級文庫ではなく学級通信で紹介したくなったが(宣伝兼)
たぶんもうどんな言葉も誠意すらも通じない。
怒りとか憤りとかではなくて むしろ痛みだ。
結果より過程(家庭)が大事……にでもしたら気づくかな(嘘)
歪んだ保護も的外れな情熱も子供にとっては悲劇でしかないと思う。てのりくじら―枡野浩一短歌集〈1〉 (枡野浩一短歌集 1)



小さなハンディキャップを持つ少女をかばい
リーダー格の少年と時にとっくみ合いの喧嘩をしでかして帰ってくる
決して気が強いわけじゃない娘を
心の中では誇らしく思いながらも色々と悩める母になる。
24時間体勢だった幼児期の子育ての大変さ なんて
カワイイものだった……と溜息まじりに弱音を吐きたくなってみたり。
おおきく構えていようと思ったり。
日々手さぐりの子育て。道のりは長い。


三つ子の魂百までって言うけど本当だ。
五歳くらいまでの子育ての重さを改めて痛感する。


こんなにもふざけたきょうがある以上どんなあすでもありうるだろう/枡野浩一